商標・知財コラム:首都大学東京 法科大学院 元教授 元弁理士 工藤 莞司 先生

山歩き里歩き四季紀行
霊峰を仰ぎながら山麓の浅間神社三社を巡る

 富士山麓に多くの浅間神社があり、これまで静岡富士市にある浅間大社や河口湖近くには御室浅間神社、北口本宮浅間神社を訪ねている。調べると河口湖畔に河口浅間神社の外、下吉田にも二社あると分かった。晩秋に河口湖を目指した。新宿駅から直通特急が平日も走っているが、満席であった。

 杉並木から河口浅間神社 中央線大月駅から富士急線へ入ると、河口湖駅行きに席を得た。外国人客が多いのが目に付く。都留市駅を過ぎた辺りから、紅葉に染まった山峡の地左手に、富士がちらつき始め、青空に真っ白な富士である。終点河口湖駅に着き、河口浅間神社への情報を得て、バスに乗る。バスも外国人客で満員。駅から湖畔迄は結構距離がある。私は対岸の美術館前に降り、左右の山の紅葉を眺めながら、通りを北上する。バス停四つ程先が河口浅間神社参道であった。
杉並木参道、杉の古大木等の社叢に囲まれた古社である。864(貞観6)年富士山大噴火の鎮静祈願として創祀されたとあり、木花之佐久夜毘売が祭神。本殿で参拝し、コロナ退散と孫達の健康をお願いする。参拝者が多く、富士と共に河口湖周辺は世界文化遺産に選ばれた観光地だからか。参道前からも富士の秀峰が見え、カメラを出した。バスで河口湖駅に戻った。

 神馬がいた小室浅間神社 富士急線下吉田駅から小室浅間神社へ。ほぼ直線的に歩いた右側に見付かった。当社はやや大きめの田舎神社風。手を合わせ、境内を巡ると馬小屋があり神馬がいた。白馬である。人形ではなく本物で、びっくり。毎日の世話が大変だろうと思ってしまった。こちらも参拝者がある。

 富士が正面の新倉山浅間神社 下吉田駅反対側にある新倉山浅間神社へ歩く。往路車窓から鳥居が見え、駅へ戻らないで大分迂回したが、踏切を越し高速道路下から参道石段になった。これが急で、難儀していると外国人夫妻が追い越して行った。坂道参道で振り返ると、また富士の霊峰が正面であった。山裾に鎮座する浅間神社に頭を垂れた。石段を避け、裏参道を下る。駅への野道の途中に喫茶店があり、外の席にも客がいる。やはり、観光客相手のようだ。
 今回歩きながら、富士山頂にも浅間大社奥社があり、約50年前、国と神社側が土地所有を争い、神社側のものとなった裁判事件を思い出した。富士登山で参拝した(00.7.29)。
下吉田駅から富士急線で大月駅へ出て、新宿駅行き特急を待った。
(2022/11/24)

首都大学東京 法科大学院 元教授 元弁理士
工藤 莞司

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工藤 莞司 先生
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