商標・知財コラム:首都大学東京 法科大学院 元教授 元弁理士 工藤 莞司 先生

山歩き里歩き四季紀行
龍飛崎に立ち津軽海峡を眺める

 津軽海峡秋景色 岬先端の丘上に立つ。目の前に海が広がり、風も波もなく静かな津軽海峡である。薄い雲が出ていて、案内にある松前や仏ケ浦迄は見えず、残念。先ほどバスで降りた地に歌碑があり、“ごらんあれが竜飛岬北のはずれ…”と石川さゆりが唄う津軽海峡冬景色が流れた。
本日は遂に龍飛崎に立つことが出来た。それも風や波もなく穏やかな海峡である。3度計画し、最初は天気予報で諦め、2度目は雨の青森駅でUターンした。今回はラッキーにも天候に恵まれた。

 龍飛崎を巡る 龍飛崎は、自然の中に漁村があるだけの本州北端の辺地で、観光地ではない。ホテルが一軒あるも、土産店や食堂はない。灯台へ上がり、海峡展望を楽しみ、吉田松陰や大町桂月達の記念碑を見る。幕末に松陰は外国船の海峡通過探査に当地を訪ねたとある。丘に咲く薄紫の花はハクサンフウロのようだ。

階段国道339号という山道を下り漁村へ出て、小さな漁港を見渡し、帯島手前の弁天神社に挨拶した。観光案内所の旧奥谷旅館を見学する。明治35年頃創業の岬唯一の旅館で、太宰治や高橋竹山、棟方志功も泊まったという。往時は船運か海岸歩きしかない陸の孤島のような岬であったようだ。私以外の観光客は極わずかで、帰りのバスは私一人であった。

 津軽線で三厩へ 今朝、青森駅から朝一番の津軽線蟹田行に乗車。列車は田畑地帯を進み、途中から右手に陸奥湾が見え出した。乗客は高校生が多い。途中貨物列車と交換、盲腸線の筈なのにと疑問を持ったが、在来の津軽海峡線は現在貨物専用で北海道発と分かった。
蟹田駅で三厩駅行きに乗り換える。こちらは山中を走り、殆ど集落は見えない。そんな中に終点三厩駅があった。本州最果ての駅は、秘境駅の感である。

岬には義経蝦夷行き伝説があり、案内によれば、平泉から三陸海岸寄りに北上し当地へ来て、羽根のある三頭の竜馬に乗り、海峡を渡ったとある。それで三厩なのだそうだ。以前訪ねた八戸城跡隣の社に弁慶石があり、義経の蝦夷行き伝説の説明があった(18.6.30)。駅前に、龍飛崎行小型バスが到着した。 (2020/9/1)


首都大学東京 法科大学院 元教授 元弁理士
工藤 莞司

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工藤 莞司 先生
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