商標・知財コラム

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一橋大学 名誉教授・弁護士
土肥 一史 先生

土肥 一史 先生
土肥 一史 先生
一橋大学名誉教授
弁護士
主な経歴
1975年-1999年福岡大学 法学部 常勤講師、助教授、教授
1982年-1984年, 1989年マックス・プランク国際知的財産法研究所 客員研究員、
自由共同研究員
1999年-2010年一橋大学 大学院国際企業戦略研究科 教授
2010年-2016年日本大学 大学院知的財産研究科 教授
2017年-2022年吉備国際大学 大学院知的財産学研究科 特任教授
2018年-2021年公益社団法人 日本複製権センター 代表理事 理事長
2020年-現在一般社団法人 授業目的公衆送信補償金等管理協会
代表理事・理事長
2020年-現在公益社団法人 著作権情報センター付属著作権研究所
所長
(これまでに)
日本工業所有権法学会 理事、常務理事、理事長、名誉会員
著作権法学会 理事
文化審議会 委員、著作権分科会 会長
産業構造審議会 臨時委員、商標制度小委員会 委員長
産業構造審議会 臨時委員 (知的財産分科会)(通商政策部会)(知的財産政策部会)
農業資材審議会 委員、食料・農業・農村政策審議会 臨時委員
等を歴任
主な受章・受賞
平成22年10月 知財功労賞(経済産業大臣表彰)
主な著書・翻訳書
知的財産法入門[初版~第15版](中央経済社)
商標法の研究(中央経済社)
演習ノート知的財産法[初版~第3版](法学書院)
ケーブル放送と著作権(信山社出版)
現在の所属
大本総合法律事務所
http://www.ohmoto.biz/

コラム バックナンバー

2024/04/10

「不完全型」と「完全型」

他人の登録商標と同一又は類似する後続の出願商標は、それぞれの指定する商品又は役務が同一又は類似する場合、商標登録を受けることはできない(商標法4条1項11号)。この帰結は商標法が採用する先願主義の帰結である。また、弁理士の商標出願実務では・・・

2024/01/23

欧州登録商標「Iceland」

外国の国旗やパリ条約同盟国及び世界貿易機関加盟国の紋章、その他の記章は、商標登録を受けることができない。商標法4条1項、2項が明確に定めている。日の丸や星条旗といった国旗は国家の尊厳に繋がるものであり、一般企業の独占の対象とすべきでない、ということのようだ。・・・

2023/11/22

商品形態の保護

不正競争防止法2条1項1号所定の不正競争の商品・営業主体混同惹起行為で求められる商品等表示性は、「人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するもの」であることが必要とされている。・・・

2023/07/25

音の商標「HI・SA・MI・TSU」

わが国の商標法には他国の制度にはない特徴がある。たとえば、わが国で商標登録が認められるためには、文字、図形、記号、立体的形状、色彩とこれらの結合した標章でなければならない。これら以外に音も認められているが・・・

2023/04/28

家紋と紋章

ヨーロッパに見られる紋章とわが国の家紋は、いずれも家系を表す点で共通する。紋章は婚姻等の関係を正確に表そうとする結果、複雑な図柄になる傾向があるが、家紋にはそうした傾向はない。日本人に最も人気のある赤穂義士伝での・・・

2023/01/30

利己的に過ぎるシステム

白頭鷲が右足でオリーブを、左足で矢をつかんでいる図柄で知られる米国のエンブレムや、北極から見た世界地図をオリーブの葉が囲んでいる図柄で知られる国際連合の標章は、国や国際機関の威信や信頼の象徴でもあることから・・・

2022/10/25

タコ滑り台とザイル・ジャングルジム

どの町や村にも児童公園があり、そこには子供たちの遊具が設置されている。ブランコやシーソーはどこの公園にもある遊具であるが、滑り台やザイルのジャングルジムも、子供たちが好きなテッパン遊具だ。・・・

2022/07/28

ドイツは車社会である

「ドイツで生活するには、クルマの運転が必要です」とは、S先生がフンボルトの短期留学制度でミュンヘンのM研究所にお見えの折に、客員研究員として籍を置いていた筆者にいわれたことである。・・・

2022/04/27

熊本産のアサリ

これからのゴールデンウイーク、博多湾はかつて家族連れでの潮干狩りで賑わった。今でも、室見川河口など博多湾には干潟も残っており、大潮なら家族で数キロのアサリの収穫も可能と聞く。・・・

2022/01/26

最高裁判決の拘束力

判決には拘束力があり、後の紛争解決の基準となる法準則をratio decidendiといい、後の紛争で判断の基準とはならないものの、内容によっては後の事件で引用されるような部分を傍論(obiter dictum)ということは、法律を学んだ方であれば一度は耳にされたことがあろう。・・・

2021/10/20

不正商品の個人輸入

令和3年5月、特許法等の一部を改正する法律が公布され、商標法と意匠法の基本的な概念である商標についての使用と意匠の実施としての輸入の概念が拡張された。背景には、ウイズ・コロナ、ポスト・コロナの時代にあって、国際郵便による不正商品の個人輸入の増加の実態があるとされている。・・・

2021/07/19

オースターハーゼ(復活祭ウサギ)

金色の包装で、鈴の付いた赤いリボンを首に巻き、チョコンと座った姿のウサギをご覧になった方もおいでだろう。ドイツでは極めて有名なチョコレート菓子だ。・・・

2021/04/27

他人の名声の利用

他の事業者の名声を自己の営業に利用する行為は、混同や誤認を惹起しない場合、不正競争とはならないだろうか?フリーライドが問題とされる場合、しばしば、このこととの関係が生じる。・・・

2021/01/29

ぶりとハマチ

雑煮の具は、豪華なものから質素なものまで、地域によってさまざまである。博多の雑煮は,鶏肉やぶりにかつお菜をいれる。このぶり,ハマチともいい,成長度によって呼び名が変わる出世魚である。・・・

2020/10/26

世界で最初の発明特許

ルネサンスという時代区分についてはともかく,ルネサンスがイタリア・フィレンチェで花開いたことは,日本人ならだれでも知っていよう。フィレンチェには,ルネサンス文化が数多く残っており・・・

2020/07/30

世界最初の特許法:ヴェネチア1474年法

わが国の特許制度は1871年の専売略規則を嚆矢とするが,制度を運用する人的・物的資源を欠き1年ももたず事実上廃止された,と高橋是清が自伝で回顧している。・・・

2020/04/23

商標的使用と商標としての使用

登録商標の権利の効力について,商標法25条は,「商標権者は,指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する」と規定し・・・

2020/01/30

商標の剥奪と商標権侵害

今年の本コラムでは,筆者の立場である商標マルチ機能論をベースにいくつかの問題を論じてみたい。その手始めに商標の剥奪行為を取り上げる。・・・

2019/10/23

商標と商品

商標は,自己の商品(以下,商品には役務を含むことがある)を他人の商品から識別する目印(標章)である。したがって,自他商品識別機能を果たす目印でなければ商標とはなりえない。・・・

2019/07/26

官公庁のシンボルマーク

「サプリメントの広告に厚生労働省のシンボルマークなどを無断で使ったとして,著作権法違反容疑で逮捕されたサプリ販売会社従業員の男性(30)について,東京地検は28日,不起訴処分とした。・・・

2019/04/26

”COMPARER C’EST COMPRENDRE”

タイトルは学生時代,フランス法外書講読の講義で教わった法諺。ものごとは一つの方向からみているだけではなかなか理解が進まない、別の方向から比べてみることも必要ということからも同じ接頭語を持っているとのこと。・・・

2019/01/21

新年おめでとうございます,今年は商標について考えてみたいと思っております。

商標法も産業財産権法の一翼を担う重要な法制であることはもちろんですが,商標法は他の産業財産法とは毛色が違う扱いをされていることもあるように思います。商標法(商標条例)は明治17年に制定されましたが,・・・

2018/10/18

近頃悩ましきこと

概説書を上梓している者にとって、筆者の能力の乏しさにも起因するのであろうが、関係法の改正が行われた年の秋は紅葉を楽しむゆとりもない煩わしさに追われる時節でもある。一般に概説書は4月の新学期・・・

2018/07/20

サイバー・フィジカル・システム?

前回のコラムでCPSに触れたので、これに関連して書く。近時、第4次産業革命というワードを耳にすることが少なくない。第1次産業革命では、蒸気機関による機械化が進められ、第2次産業革命では、・・・

2018/04/18

ヤフーやグーグルが開発されなかったのは著作権法のせいなのか?

著作権法に関してしばしば指摘されていることの1つに、検索エンジンは1994年日米ほぼ同時に開発に着手されたにもかかわらず、日本にはフェアユース規定がないために、著作物の権利者の許諾が必要となり・・・

2018/01/22

私的複製と補償金制度

「著作者の正当な利益を不当に害しない」ことは、「著作物の通常の利用を妨げない」ことと「特別の場合」であることに並ぶ著作権の制限において考慮されるスリーステップ・テストの1条件である。・・・

2017/10/10

世界最初の著作権法

世界最初の著作権法は1710年のアン法である。この著作権法の正式なタイトルはいささか長く、「印刷物の複製権を著作者又はこの複製権の譲受人に所定の期間帰属させることによって教育を奨励する法律」という。・・・

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